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文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻4号

1982年04月発行

今月の主題 胃の隆起性病変(polypoid lesion)―その形態と経過

主題

胃隆起性病変の病理と問題点

著者: 望月孝規1

所属機関: 1日本専売公社東京病院検査科

ページ範囲:P.379 - P.382

文献概要

 本号の座談会でも話題となっているが,まず胃の隆起性病変(polypoid lesion)という定義が生じた事情について述べる.Poiypという語を初めて用いたのは,Gallenosであり,鼻孔から突出している粘膜が,小さなクラゲに類似していたためと言われている.この語は,消化管粘膜の隆起性の変化の肉眼的記載にも用いられ,更には病理組織学的にも隆起性病変のうち,悪性でないものを意味するようになった.

 私は,かつて“胃のポリープの悪性化”を考察するための前提として,胃ポリープについての諸家の記載と組織像を対比して検討した結果,おのおのの著しく異なる内容に驚いたことがあり,この語は少なくとも肉眼的形態の形容としては用いられようが,組織学的所見を表す語としては,種種の形容詞を付けても厳密な表現となりえないと考えられた1).日本大腸癌研究会の組織学的分類の欄にも,同じ趣旨の記載がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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