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文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻5号

1982年05月発行

研究

噴門癌の定義に関するわれわれの見解

著者: 三隅厚信1 馬場憲一郎1 庄嶋健1 池田恒紀1 赤木正信1

所属機関: 1熊本大学医学部第2外科

ページ範囲:P.573 - P.579

文献概要

 従来,噴門癌と称されていた癌は,胃癌研究会による胃癌取扱い規約で“胃上部癌(C領域の癌)”の中に総括されるようになり1)2),食道胃接合部を跨る癌を下部食道噴門癌としてC<E,C=E,C>Eの3群に分けて3)論じられるようになった.しかし,やはりこれら胃上部癌の中でも噴門腺領域に発生したと考えられる癌と他の部位(胃底腺領域)の癌とは種々の点で異なるものと思われる4)~6).このような観点から最近,西ら7)によって噴門癌に関する定義の提唱がなされ,第30回胃癌研究会では癌の中心が食道胃接合部の上下2cm以内に存在するものとして,その特性についての検討が行われた.

 しかし,いずれもその定義付けに明らかな根拠を挙げているものはなく,癌の中心点の決め方についても具体的な方法を明示しているものは見当たらない.数年来,噴門癌に関するこれらの問題点について,X線学的,内視鏡学的および病理組織学的検索など,種々の面から検討を加えてきたので,今回は主として噴門癌の定義に関するわれわれの見解を述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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