icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻6号

1982年06月発行

文献概要

今月の主題 胆道系疾患の臨床(3)―早期胆道癌の診断を目指して 主題症例

早期胆管癌の1例

著者: 島口晴耕1 有山襄1 白田一誠1 須山正文1 李茂基1 池延東男1 白壁彦夫1

所属機関: 1順天堂大学消化器内科

ページ範囲:P.625 - P.628

文献購入ページに移動
 胆管癌では閉塞性黄疸を手掛かりに診断されるものが大部分である.黄疸を発症するまでの比較的早期の段階には,特徴的な臨床症状がないために胆管癌の早期診断は極めて難しい.現状では切除例の大部分は組織学的に胆管外膜,または外膜を越えて他臓器,脈管への腫瘍の浸潤を伴う進行癌である.しかし,切除例のうち肉眼的に乳頭型,または結節型を示す例では,ときに癌の浸潤が胆管外膜に達するまでに胆管閉塞を来し,黄疸を発症するために早期に診断されることがある.われわれは肉眼的に乳頭型の所見を示し,組織学的に癌の浸潤が胆管上皮に限局した下部胆管癌切除例の検査所見および病理組織所見について報告し,更に早期胆管癌の報告例に関する文献的考察についても述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?