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文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻6号

1982年06月発行

文献概要

今月の主題 胆道系疾患の臨床(3)―早期胆道癌の診断を目指して 主題症例

術前に診断を確定しえた早期上部胆管癌の1例

著者: 西村興亜1 飯塚保夫1 田村矩章2 安達秀雄1 古賀成昌1

所属機関: 1鳥取大学医学部第1外科 2鳥取大学医学部第2内科

ページ範囲:P.637 - P.640

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 胆管癌は各種診断法の進歩した今日でも,診断しえた時点で多くが進行性であり,切除不能あるいは姑息切除に止る場合が少なくなく,その治療成績は不良である.したがって,早期の胆管癌症例に遭遇することはまれであり,また術前にそのような早期例を診断することも困難な現状である.最近,胆道癌取扱い規約1)が定められ,肉眼的stage分類が試みられているが,早期胆道癌の定義は明らかにされていない.このような現状においてわれわれは,本規約に準じ,癌巣が組織学的にも胆管壁内に限局し,漿膜や外膜に浸潤を認めないものを早期胆管癌として扱ってよいのではないかと考えている.

 症例は黄疸を主徴とした上部胆管で,術前の胆汁細胞診で確定診断が得られ,根治的切除が行われた.本症例は術後の組織検討で病巣は胆管壁内にとどまり,リンパ節転移も認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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