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文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻6号

1982年06月発行

文献概要

今月の主題 胆道系疾患の臨床(3)―早期胆道癌の診断を目指して 主題症例

USおよびERCPにて術前に診断しえた早期胆囊癌の1例

著者: 安田健治朗1 光吉靖夫1 竹林政史1 中島正継1 上田忠2 菅原侠治2 加藤守彦2

所属機関: 1琵琶湖胃腸病院内科 2琵琶湖胃腸病院外科

ページ範囲:P.655 - P.659

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 早期胆囊癌に関するまとまった報告はまだ少なく,その定義も確定していない.これは,胆囊癌それ自体のみでは早期であればあるほど著明な自他覚症状を発症し難く,また胆囊壁に粘膜筋板を欠くために比較的早い時期に血行性,リンパ管性転移を来しやすく,早期発見の機会が少ないことが最大の理由と考えられる.したがって,胆囊癌は早期診断・早期治療の困難な臓器とされておりこれまでの報告にても胆石や胆囊炎との術前診断で胆摘術が施行され,組織学的検索により早期胆囊癌と診断された例がほとんどである.今回,われわれは胆囊超音波断層撮影法およびERCPにて術前に胆囊Ⅱa様癌および胆囊ポリープを疑い手術により胆囊粘膜内癌および乳頭状腺腫内の癌化を確認した症例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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