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文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻6号

1982年06月発行

文献概要

研究

Linitis plastica型胃癌の臨床病理学的研究―特に経過時間について

著者: 美園俊明12 中村恭一12 加藤洋1 菅野晴夫1

所属機関: 1癌研究会研究所病理 2筑波大学基礎医学系病理

ページ範囲:P.691 - P.698

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 胃底腺粘膜領域から発生した未分化型癌のうちlinitis plastica型になる癌の多くは,その発育過程の初期に粘膜下組織へ浸潤し,原発巣の潰瘍化はその後で起こることをわれわれは報告している1)~3).したがって,linitis plastica型癌の初期像の形態は,腸上皮化生のない胃底腺粘膜領域に存在する,粘膜ひだ集中のないⅡc型癌であると結論することができる1)~3)

 一方,胃底腺粘膜領域は癌の好発部位ではなくまた,linitis plastica型癌もほかの型の癌に比べて決して多くはない2)17)20).しかし,この領域の未分化型癌は幽門腺粘膜領域のそれに比べて,癌が小さくても粘膜下組織へ浸潤する傾向が強いこと10),linitis plastica型癌は予後が極めて悪いこと12)13),および比較的若年成人に発生する傾向があり17)18),その早期の発見と治療は極めて重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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