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文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻7号

1982年07月発行

文献概要

今月の主題 胃・十二指腸潰瘍の病態生理 主題

胃・十二指腸潰瘍の病態生理からみた粘膜血流と防御因子

著者: 北島政樹1 上田光久1 相馬智1

所属機関: 1杏林大学医学部第1外科

ページ範囲:P.747 - P.756

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 現在までに胃・十二指腸潰瘍の発生に関する病態生理の研究は,本邦,欧米を問わず多くの報告がある.特にShay1)の攻撃因子および防御因子の不均衡説は多くの人々により認められ,引用されているのが現状である.著者も実験を通じ両因子の不均衡の重要性は肯定しえたが,特に防御因子の中でも粘膜血流量の関与が多大であることを確認した.すなわち粘膜血流量と他の防御因子の関係は植物の根と葉の関係に類似し,根からの栄養吸収の障害はあたかも胃粘膜の血流遮断に例えることができると考えられた(第23回日本消化器内視鏡学会総会シンポジウム).更に粘膜防御因子の破綻は,胃内に存在する水素イオンの逆透過性亢進を惹起し,潰瘍の発生を導くと想定された.

 今回,筆者に与えられた命題は“粘膜血流と防御因子”であり,実験成績を中心に,両者の相互関係がいかに潰瘍発生に関与しているかについて論じてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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