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文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻8号

1982年08月発行

文献概要

今月の主題 小腸X線検査法の進歩 主題

小腸二重造影法によるX線診断―クローン病の小腸微細病変

著者: 田中啓二1 八尾恒良1 藤田晃一1 日吉雄一1 中武幸一1 有馬純孝2 浜田修二3 村山寛3

所属機関: 1福岡大学医学部第1内科 2福岡大学医学部第1外科 3福岡大学医学部第1病理

ページ範囲:P.871 - P.884

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 クローン病のX線診断は,欧米を中心に主として経口小腸透視によって診断1)~5)されてきた.したがってそこに掲げられているX線写真は充満像や粘膜像を主体に,圧迫像を加えたものが大部分であった.しかし近年,ゾンデ法による小腸X線検査の開発,進歩により従来の経口小腸透視に替わって小腸のX線診断学は,二重造影法を中心とした診断学に書き改められつつある現状である6)~13)

 特にクローン病においては,主病変のほか主病変より口・肛門側にskipして拡がる小病変を二重造影法によって正確に描写,観察することが可能となっている8)~12).クローン病では口側の小病変群を診断することは,手術時の切除範囲の決定に重要であるばかりでなく,クローン病の進展様式や病態生理の理解,クローン病の病期診断や早期発見など10)11)13)に関して極めて重要な情報を提供してくれるものと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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