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今月の主題 小腸X線検査法の進歩 主題
びまん性小腸疾患のX線診断―経口法とゾンデ法二重造影法との対比
著者: 渕上忠彦1 八尾恒良2 今村健三郎1 岡田光男1 鶴田修1 下田悠一郎3
所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2福岡大学医学部第1内科 3九州大学医学部放射線科
ページ範囲:P.885 - P.895
文献購入ページに移動ゾンデ法による小腸二重造影法の最大の利点は全小腸が連続して描出され,遮断剤の注射により蠕動の影響を除き粘膜面の微細な凹凸を描出して器質的異常を描出できる点にあると思われる.小腸二重造影法の歴史は古いが3),ゾンデ挿入,造影剤注入などにわずらわしさがあり,また器質的小腸疾患が少ないこともあり,あまり普及しなかった.本邦において,1974年に中村ら4),小林ら5)により経ゾンデ法による小腸二重造影法が短時間で検査を終了でき,しかも全小腸の二重造影像が得られ,器質病変の優れた描出能が得られるとの利点が報告された.ほぼ時を同じくして,クローン病が注目を集める時代が到来し,以後腸結核との鑑別を中心として小腸二重造影法は飛躍的に進歩,普及した6)7).術中内視鏡像,術後小腸造影像との対比により,微細病変の診断も相当に可能となった.しかしながら逆に,ほぼ全小腸にわたるびまん性,連続性の病変を有する疾患(以下,びまん性小腸疾患)のゾンデ法二重造影法によるX線診断についてはまだ十分な検討がなされていない.更に,経口的小腸X線検査においては正常像の検討が詳細になされているが8)9),ゾンデ法小腸X線検査における正常像の検討はほとんどなされていない.
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