胃と腸17巻9号

1982年09月発行

今月の主題 症例・研究特集 症例

回腸末端部に発生した有茎性の脂肪腫の1例

著者： 牛尾恭輔¹ 志真泰夫¹ 石川勉¹ 鈴木雅雄¹ 村松幸男¹ 高安賢一¹ 森山紀之¹ 松江寛人¹ 笹川道三¹ 山田達哉¹ 北條慶一² 吉田茂昭³ 小黒八七郎³ 板橋正幸⁴ 廣田映五⁴ 市川平三郎⁵

所属機関： ¹国立がんセンター放射線診断部 ²国立がんセンター外科 ³国立がんセンター内科 ⁴国立がんセンター病理 ⁵国立がんセンター

ページ範囲：P.993 - P.1001

　良性の原発性小腸腫瘍は，症状の程度が軽くて検査されずに放置されるためか，また発見されても切除される機会が少ないためか，その報告例は少ない．われわれは腹痛と下血を主訴として来院し，注腸検査にて発見された回腸末端部の脂肪腫を経験したので，回盲弁，小腸粘膜のprolapse像，腫瘍影のX線学的関係を中心に検討を加え報告する．