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文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻9号

1982年09月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 研究

ヒト胃腸上皮化生の研究―特にgoblet cell metaplasiaについて

著者: 佐竹儀治1 喜納勇1

所属機関: 1浜松医科大学第1病理

ページ範囲:P.1029 - P.1034

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 胃腸上皮化生は胃癌との関連において注目されてきているが,その成り立ちについては,まだ十分には解明されていない.その組織学的特徴が,杯細胞,吸収上皮,バネート細胞から成ることは広く知られているが,これらの特徴がいつの場合もそろって出現するわけではない.したがって,胃腸上皮化生にも,その程度と段階を知る必要から,これまでに,幾つかの分類が試みられており,それぞれに注目される(Table1).

 今回,われわれは生検材料を用いて,組織学的,粘液組織化学的に,胃腸上皮化生を検討したが,その際,特に杯細胞の出現に注目した.杯細胞は腸上皮化生の特徴の中で,最も目立つものであり,多くの場合,吸収上皮を伴って出現するが,少数例では杯細胞のみが,正常の胃腺窩上皮の間に現れる場合がある.今回は主として,この現象に注目し,このような組織学的変化を杯細胞化生(goblet cell metaplasia)と名付け,腸上皮化生の成り立ちを解明する一助として検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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