文献詳細
文献概要
--------------------
書評「Differential Diagnosis of Colorectal Diseases」
著者: 武藤徹一郎1
所属機関: 1東京大学
ページ範囲:P.49 - P.49
文献購入ページに移動 著者の長廻紘博士は外国にも広く名の知られた一流の内視鏡学者であるばかりでなく,東大病理学教室で病理学をも勉強され,大腸疾患の病理に関しては一流の見識を持った若き学徒である.博士はこの2つの分野における一流の見識を見事に結合させて,ここにすばらしい1冊の本を生み出してくれた.この本は著者の前著である“大腸疾患アトラス”が土台になっていると思われるが,その内容は本書のほうが数段優れており,7年間の間に著者の辿ったこの道における進歩の跡,見識の深化が如実に示されている.
本書を手に取って先ず感じることは,そのずっしりとした重みと重厚な感触であり,中に何が書いてあるのだろうという期待を抱かせる,いかにも洋書らしい雰囲気が感じられるのである.簡単なanatomyとhisto1ogyの記述の後に,著者が最も興味を持ち,力を入れて書いたと思われるulcerative colitis,Crohn's colitis両者の鑑別疾患の記述が続く.内視鏡の写真が美しいのは著者のお家芸で当然であるとしても,切除標本,そして特に組織像の写真が完全と言ってよいほど見事なものである.病理組織像,X線像,内視鏡像,各病期の所見,鑑別診断が詳細にして簡潔に記載されているので,専門家のみならず初心者にも非常に参考になる.写真の数が多く,内視鏡所見と組織所見を対比してゆくだけでも大変楽しむことができる.
本書を手に取って先ず感じることは,そのずっしりとした重みと重厚な感触であり,中に何が書いてあるのだろうという期待を抱かせる,いかにも洋書らしい雰囲気が感じられるのである.簡単なanatomyとhisto1ogyの記述の後に,著者が最も興味を持ち,力を入れて書いたと思われるulcerative colitis,Crohn's colitis両者の鑑別疾患の記述が続く.内視鏡の写真が美しいのは著者のお家芸で当然であるとしても,切除標本,そして特に組織像の写真が完全と言ってよいほど見事なものである.病理組織像,X線像,内視鏡像,各病期の所見,鑑別診断が詳細にして簡潔に記載されているので,専門家のみならず初心者にも非常に参考になる.写真の数が多く,内視鏡所見と組織所見を対比してゆくだけでも大変楽しむことができる.
掲載誌情報