文献詳細
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書評「Differential Diagnosis of Colorectal Diseases」 フリーアクセス
著者: 武藤徹一郎1
所属機関: 1東京大学
ページ範囲:P.49 - P.49
文献概要
本書を手に取って先ず感じることは,そのずっしりとした重みと重厚な感触であり,中に何が書いてあるのだろうという期待を抱かせる,いかにも洋書らしい雰囲気が感じられるのである.簡単なanatomyとhisto1ogyの記述の後に,著者が最も興味を持ち,力を入れて書いたと思われるulcerative colitis,Crohn's colitis両者の鑑別疾患の記述が続く.内視鏡の写真が美しいのは著者のお家芸で当然であるとしても,切除標本,そして特に組織像の写真が完全と言ってよいほど見事なものである.病理組織像,X線像,内視鏡像,各病期の所見,鑑別診断が詳細にして簡潔に記載されているので,専門家のみならず初心者にも非常に参考になる.写真の数が多く,内視鏡所見と組織所見を対比してゆくだけでも大変楽しむことができる.
掲載誌情報