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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻11号

1983年11月発行

今月の主題 逆流性食道炎

主題

逆流性食道炎とBarrett上皮

著者: 木暮喬1 平川賢1 板井悠二2 星原芳雄3 奥山山治4 秋山洋5

所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院放射線科 2東京大学医学部附属病院放射線科 3東京大学医学部附属病院物療内科 4東京大学医学部附属病院老人科 5虎の門病院消化器外科

ページ範囲:P.1147 - P.1155

文献概要

 1950年,Barrett1)により円柱上皮性食道(columnar epithelial lined lower esophagus)の存在が指摘された.Barrettは先天性短食道として報告したが,その後1957年,Barrette2)自身,failure of the embryonic lining of the esophagus to achieve normal maturityと報告している.1953年,Allison & Johnstone3)も同様な見解で,短食道あるいはectopic gastric mucosaによるとしている.1960年になり,Goldman & Beckman4)は術後逆流性食道炎による二次的な“Barrett食道”の症例を報告した.以降,Hayward(1961)5),Mossberg(1966)6),Burgess(1971)7),Halvorsen(1975)8),Savary & Miller(1978)9)らは,実験的または組織学的に後天性“Barrett食道”説を支持し,現在に至っている.

 しかしながら,Barrett食道腺癌の報告をみると,胃底腺で構成された例10)と,後天性化生性偽幽門腺円柱上皮例11)とが,それぞれ報告されており,両者が存在することもまた事実と考えられる.したがって,臨床的にはBarrett上皮が,後天性に形成されうるとする立場から,炎症との関係をみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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