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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻11号

1983年11月発行

今月の主題 逆流性食道炎

主題

逆流性食道炎のX線像と鑑別診断

著者: 山田明義1 小林誠一郎1 吉田操1 福島靖彦1 磯部義徳1 杉山明徳1 遠藤光夫1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター消化器外科

ページ範囲:P.1175 - P.1183

文献概要

 逆流性食道炎のX線像で最も目につきやすい所見としては,運動性の異常,内腔の狭小化,裂孔ヘルニアの存在,逆流所見などが挙げられよう.しかし,これらは非特異的な間接所見であって,必ずしも逆流性食道炎の存在を証明するものではない.逆流性食道炎のX線所見としては,軽症な場合,機能的な壁伸展性と辺縁の極く軽微な不整像,皺襲の太さの変化,粘膜面の粗糙さ,散在するバリウム斑,更に下部食道の円筒状ないしは楔状の内腔の狭小化像などとして描き出される.更にびらんを形成し,潰瘍が出現すればX線像では他の消化管におけると同様に淡いバリウム斑やニッシェとして写し出すことができる.

 X線学的に鑑別診断しなければならないものは少なからずあるが,最も重要なものは食道癌であろう.われわれの施設に紹介された逆流性食道炎の症例の半数以上のものが食道癌の診断が付されていることからも理解できよう.そこで,まず逆流性食道炎とこれと鑑別すべき疾患を,特に食道癌を中心に供覧することにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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