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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻11号

1983年11月発行

症例

剝離性食道炎の1例

著者: 鹿戸福子1 藤本秀明1 大草敏史1 西浦政代1 中村理恵子1 別所博子1 宮坂京子1 久山泰1 林正孝1 岡田弘1 桃井宏直1 那須道世2

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第1内科 2東京医科歯科大学医学部病理

ページ範囲:P.1205 - P.1208

文献概要

 急性食道炎は近年内視鏡の進歩・普及に伴い,発見の頻度が高まっている.剝離性食道炎は急性食道炎に分類されるまれな食道炎で,嚥下痛と食道粘膜上皮が筒状に剝離し,喀出されることを特徴とするが,近年報告例はほとんどない1)2).最近われわれは肺癌患者で経過中に剝離性食道炎を起こした症例を経験したので報告する.

 症 例

 患 者:64歳,女性,主婦.

 主 訴:嚥下痛.

 家族歴:父方祖父母,父母,兄が脳卒中にて死亡.

 既往歴:38歳ごろより高血圧.(タバコ,酒(-))

 現病歴:1982年3月ごろより咳嗽出現.同年7月胸部異常陰影を指摘され,当科外来受診し,生検にてmoderately differentiated squamoas cell carcinoma of the lungと診断された.8月11日当科入院し,手術不能のため,レーザー照射施行し,肺腫瘍の縮小をみた.経過中,9月14日ごろより嚥下痛出現し,次第に増強,摂食困難となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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