文献詳細
症例
術前診断が困難だった残胃のびまん浸潤癌の1例
著者: 小西敏郎1 片柳照雄1 前田栄昭2 滝沢登一郎3 小池盛雄3
所属機関: 1東京都立駒込病院外科 2東京都立駒込病院内科 3東京都立駒込病院病理科
ページ範囲:P.1223 - P.1228
文献概要
症 例
患 者:53歳,男性.
主 訴:易疲労感,上腹部痛,体重滅少.
家族歴:特記すべきことなし.
既往歴:1970年6月(約11年前)に胃癌にて他院で胃亜全摘,Billroth II法で再建術を受けている.借用した当時の術前の内視鏡フィルムでは(Fig. 1),幽門前庭部の全周性のBorrmann 3型胃癌である.切除標本の病理組織学的報告では,adenocarcinoma tubulare et mucocellulare,深達度pm,infβ,ow(-),aw(-),
リンパ節転移なし,とのことであった.その後同院で胃X線検査と胃内視鏡検査を毎年のように繰り返し施行されていたが,特に異常は指摘されなかった.
掲載誌情報