icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻12号

1983年12月発行

--------------------

書評「平静の心―オスラー博士講演集」 フリーアクセス

著者: 吉利和1

所属機関: 1浜松医科大学

ページ範囲:P.1278 - P.1278

文献概要

 この本の初めに,訳者の日野原先生が書いておられるように,この本をいきなり初めから読み出すと,なかなか難しくて,近寄りがたいという感じがする.そこで私も,先生のお勧めのように,巻末に載っている先生の一文「ウィリアム・オスラー卿の生涯とその業績ならびに思想について」から読み始め,Oslerの生涯,その人間,業績などの概略を頭に入れてから,本文に入ることにした.この際,日野原先生が日本医学教育学会で,多数のスライドを使って話されたOslerの生涯と思想が大いに役に立った.

 私の学生時代から医局時代は,日本の医学界はドイツ医学全盛時代で,内科の本と言えば,Mering,Brugsch,Strumpel,そして新しいBergmannの本を専ら学んでいた.しかし私の恩師柿沼先生は,Bergmannの教科書の優秀性を主張されながら,他方ドイツ流の体系的,理論的医学のみでは,医師としては物足りないと言われ,当時はあまり水準が高いと思われなかったアメリカのものに誠に捨てがたいいい面があると言われ,OslerのPrinciples and Practice of Medicineという本の名を挙げられた.日野原先生の文によると,この本の初版は1892年であるが,私が早速入手したものが何年版であったのか失念した.1949年第16版が出たというから,私の読んだのは,これに近いものであっただろう.戦時中上海のものも入手して,粗末な製本に苦しみながら読んだ記憶がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら