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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻12号

1983年12月発行

今月の主題 Crohn病の診断

主題症例 非典型的発症を示したCrohn病

回腸穿孔を来したCrohn病の1例

著者: 勝又伴栄1 山本佳正1 五十嵐正広1 秋間礼二1 岡部治弥1 島津盛一2 高橋俊毅2 中英男3

所属機関: 1北里大学医学部内科 2北里大学医学部外科 3北里大学医学部病理

ページ範囲:P.1311 - P.1316

文献概要

 Crohn病は慢性に進行する消化管の炎症と言われ,腸管壁の肥厚,線維化などを伴いやすいため,その合併症としては瘻孔形成や狭窄の頻度が高く,腹腔内への穿孔はまれと考えられてきた.しかし近年内外で穿孔例の報告が増え,Crohn病の急性増悪に伴う合併症とする考え方もみられる.われわれも回腸にfree perforationを起こしたCrohn病の1例を経験したので報告し,穿孔の原因などについて若干の考察を試みる.

症 例

 患 者:23歳,男性.

 主 訴:腹痛,腹部膨満感.

 家族歴:父,急性肝炎.

 既往歴:20歳時,痔瘻の手術.

 現病歴:1年前より上腹部痛があり,近医で胃内視鏡検査を受け胃多発ポリープの診断および3カ月後の再検査で縮小していると言われた.1978年10月ごろより臍周囲から右下腹部を中心とする鋭い痂痛と腹鳴を時々認めるようになったが,悪心,嘔吐,発熱はなかった.1979年になり腹部膨満感,食欲不振,体重減少も加わり当院受診し,同年5月7日精査のため入院となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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