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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻12号

1983年12月発行

今月の主題 Crohn病の診断

主題症例 非典型的発症を示したCrohn病

突然の下血を主訴とし,非定型的に発症したCrohn病の1例

著者: 飯田三雄12 久保元敏1 畑中正文12 渕上忠彦1

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2九州大学第2内科

ページ範囲:P.1317 - P.1321

文献概要

 Crohn病は通常,腹痛,下痢,体重減少,発熱などを主症状として発症し,初診時には貧血,炎症所見,栄養障害などに関する検査所見の異常を高率に伴っている1)~3).最近,われわれは突然の下血を主訴とし,諸血液検査所見に全く異常を認めなかったCrohn病の非定型的発症例を経験したので報告する.

症 例

 患 者:37歳,男性,医師.

 主 訴:下血.

 既往歴:17歳時アレルギー性鼻炎.

 家族歴:特記すべき事項なし.

 現病歴:1976年夏過労時初めて腹痛(疝痛様)発作があったが,副交感神経遮断剤(ブスコパン)の注射ですぐ軽快した.以後,年に1~2回の頻度で過労あるいは暴飲暴食時などに同様の腹痛発作あったが,すぐ軽快していた.1983年4月12日夜,突然下腹部膨満感出現し,浣腸にて得た便は暗赤色を呈していたので,翌日精査のため当科外来受診.この間,下痢,体重減少,発熱は認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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