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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻12号

1983年12月発行

文献概要

症例

食道,胃,十二指腸に微小・微細病変を伴った小腸Crohn病の1例

著者: 牛尾恭輔1 石川勉1 後藤裕夫1 笹川道三1 山田達哉1 土方淳2 田尻久雄2 吉田茂昭2 吉森正喜2 板橋正幸3 廣田映五3 市川平三郎4

所属機関: 1国立がんセンター病院放射線診断部 2国立がんセンター病院内視鏡部 3国立がんセンター病院研究所病理部 4国立がんセンター病院

ページ範囲:P.1343 - P.1350

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 最近,Crohn病には上部消化管にも微小・微細な病変が,高率に存在することが明らかになりつつある,われわれは回腸下部に縦走潰瘍とcobblestone appearanceを有し,Crohn病と診断された例において,咽頭,食道,胃全域,十二指腸にも,微細な潰瘍性病変を認め,しかも遡及的に病変の推移を観察しえた例を経験したので,X線像の推移を中心に報告する.

症 例

 患 者:49歳,主婦.

 主 訴:腹痛.

 既往歴:33歳-虫垂切除術,38歳-胃潰瘍.

 家族歴,生活歴:特記すべき事項なし.

 現病歴:1981年4月ごろより,腹痛および下肢に結節性紅斑が出現し,国立がんセンターを受診.一般臨床検査で高アミラーゼ血症があったため膵炎が疑われ,保存的治療で軽快した.しかし,翌年3月,再び腹痛と結節性紅斑が出現し,今回は下痢,背部痛と体重減少を伴ったため,7月精査の目的で内科に入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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