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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻12号

1983年12月発行

症例

食道内中隔―不完全食道重複症の1例

著者: 伊東昌子12 三宅秀敏1 橘川桂三3 犬塚幹人1 林邦昭4

所属機関: 1佐世保市立総合病院放射線科 2日赤長崎原爆病院放射線科 3佐世保市立総合病院内科 4長崎大学医学部放射線科

ページ範囲:P.1351 - P.1353

文献概要

 消化管重複症は,舌根部から肛門までの消化管のいずれの部位にでも起こりうる先天奇形であり正常の消化管粘膜や平滑筋を持った,通常,囊状あるいは管状の構造を示すものである1).本来の消化管との交通はないことが多いが,交通性を有するものもある.今回われわれは,食道下部が正常食道粘膜を持つ縦走する中隔によって,2つの内腔に分かれているという興味ある症例を経験した.発生学的な考察から,不完全食道重複症と診断したので報告する.

症 例

 患 者:68歳,男性.

 既往歴:幼少時より,食物をのどに詰まらせたり,食道炎を起こした既往歴はなく,また外傷の既往もない.

 現病歴:呼吸器症状・胸部圧迫感もない.年1回近医で上部消化管造影検査を受けていたが,今まで一度も異常を指摘されたことはなかった.今回,胃集団検診にて,胃角変形を指摘され,精密検査目的で佐世保総合病院放射線科を受診した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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