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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻2号

1983年02月発行

今月の主題 急性腸炎(1)―主として抗生物質起因性大腸炎

主題

偽膜性腸炎―病理の立場から

著者: 渡辺英伸1 堀向文憲1 岩渕三哉1 本山悌一1 石原法子1

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.125 - P.131

文献概要

 偽膜性腸炎(pseudomembranous enterocolitis)は偽膜を有する腸炎の総称名として古くは用いられていた.しかし,近年偽膜を有する腸疾患は種々の原因ないし誘因で発生することが明らかになってきた(Table 1).これら疾患では,偽膜の形状のみならず,そのほかの形態像にも差があることが次第に明らかにされてきた.

 特に,抗生剤性偽膜性腸炎は,その特異な臨床像と病理形態像および原因の変遷から,1950年代以降注目を浴びている.同疾患の原因は,1950年代では黄色ブドウ球菌と考えられていたが,今日ではほとんどClostridium difficileであることが判明している.抗生剤性偽膜性腸炎は,総称名であった偽膜性腸炎から抜け出して,今日では偽膜性腸炎と同義語に使用されているのが世界的趨勢である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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