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今月の主題 急性腸炎(1)―主として抗生物質起因性大腸炎 主題
抗生物質による薬剤性大腸炎の臨床
著者: 多田正大1 田中義憲1 渡辺能行2 梶原譲2 傍島淳子2 川本一祚2 魚住玄通2 川井啓市2
所属機関: 1京都第一赤十字病院第3内科 2京都府立医科大学公衆衛生
ページ範囲:P.133 - P.143
文献購入ページに移動この抗生物質起因性大腸炎として,欧米の文献ではantibiotics associated colitis,drug induced colitis,pseudomembranous colitisなどの呼称で報告されている.本邦ではpseudomembranous colitisに対応する名称として偽膜性大腸炎の用語が一般的である.しかし抗生物質起因性の薬剤性大腸炎には必ずしも偽膜形成を起こさない急性の出血性腸炎の病態を呈する症例も決して少なくないことが最近明らかになっており,これらの一連の大腸炎に関する呼称が本邦のみならず,欧米でも,まだ画一的な名称は見当たらないようである.筆者らも抗生物質起因性の薬剤性大腸炎について,その病態より偽膜形成を来す腸炎(偽膜型)と急性出血,びらんを起こす腸炎(びらん型)に分類して報告したが,果たしてこの呼称がふさわしいものか否か,今もって迷っているところである.
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