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今月の主題 急性腸炎(1)―主として抗生物質起因性大腸炎 主題
抗生物質起因性大腸炎における細菌叢の変化
著者: 堀信治1 中村正樹1 山村誠1 大野忠嗣1 下山孝1
所属機関: 1兵庫医科大学第4内科
ページ範囲:P.145 - P.154
文献購入ページに移動抗生物質投与後に起こる急性下痢・血便では,腸内細菌叢の変動に伴い,特定の細菌の異常増殖や菌体毒素の産生などが発生要因として考えられている.しかし,細菌同定の手技が繁雑であり,また,そのための設備が不足していることもあって,実際には細菌叢がどのように変動しているのか,また,どうして特定の菌が増殖するようになるのか,まだ明らかにされていない.現在は細菌学的にみた病因の追及にようやく関心が持たれ,症例ごとに報告がみられるようになった段階である.教室でのこの種の細菌叢の変動に関する研究も,ようやくその緒についた段階で,まとまった検討結果を述べることは到底不可能である.ここでは,これまでの教室の検索結果を提示し,文献的考察を加えてその責めを果たさせていただきたいと思う.
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