症例
Ⅱc型直腸早期癌―de novo発生の1例
著者:
辻仲康伸1
土屋周二1
大木繁男1
大見良裕1
金子等1
江口英雄1
桔梗辰三2
所属機関:
1横浜市立大学医学部第2外科
2横浜市立大学医学部中検病理
ページ範囲:P.211 - P.217
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大腸の早期癌は,潰瘍性大腸炎の癌化例や大腸腺腫症の特殊例を除けば,ほとんどが隆起型と考えられており,このことは大腸癌の組織発生と早期発見,治療を考えるうえでの最も基本的な知見とされている.大腸癌の組織発生については,腺腫先行説(adenoma-carcinoma sequence)とde novo発生説があるが,腺腫内癌(carcinoma in adenoma)の存在などから,ほとんどの大腸癌は腺腫に由来するものと信じられている.一方,腺腫を併存しないde novoと思われる微小癌の報告も少数みられるが,いずれも隆起性病変で完全な陥凹型早期癌の報告はみられず,これらについてもadenoma-carcinoma sequenceを完全には棄却しえない.
最近われわれは,大腸検診を契機にして発見されたⅡaを併わない単発のⅡc型直腸sm癌の手術例を経験した.この症例について詳細な組織学的検索を行った結果,これまで報告をみないde novoに発生した早期の印環細胞癌と考えられたので,組織発生と形態発生に検討を加えて報告する.