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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻4号

1983年04月発行

文献概要

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海外文献紹介「小腸および大腸クローン病におけるdysplasia(前癌性変化)の組織像」

著者: 小林世美1

所属機関: 1愛知県がんセンター第1内科

ページ範囲:P.412 - P.412

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 The Histologic Appearance of Dysplasia (Precarcinomatous Change) in Crohn's Disease of the Small and Large Intestine: S Simpson, J Traube, RH Riddell (Gastroenterology 81: 492~501, 1981)

 最近,長期間にわたるクローン病においても癌の発生が増加していると言われ,Weedonらは,対照群より20倍の大腸癌の頻度を計算している.癌を合併したクローン病でのdysplasiaの発生は以前から知られているが,詳しくは研究されていない.著者らは,シカゴ大学で経験された癌を合併した6例のクローン病患者すべてにdysplasiaを認めた.いずれの患者においてもdysplasiaは癌に隣接していた.4例では癌と離れた所にも認められた.その範囲は2例ではびまん性であり,2例では多中心性にみられ,残りの2例では局部的に存在していた.びまん性であった患者の1人では,2つの癌巣を有していた.dysplasiaの程度は,軽度からin situ癌にわたっていた.ある例では高度のdysplasiaからin situ癌を経ずに浸潤性癌への移行を認め,クローン病での癌は,潰瘍性大腸炎でみられるようなin situ癌を経ずに癌が起こりうることを示した.dysplasiaの所は,肉眼的には平坦またはポリープ様で,反応性変化とdysplasiaを見分けることはできなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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