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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻7号

1983年07月発行

文献概要

症例

胃集検で発見された早期十二指腸癌の1例

著者: 那須宏1 増田久之1 井上修一1 荒川弘道1 佐藤誠1 小泉亮道1 高橋俊雄2 田中淳一2 中川久明2 井川隆夫3

所属機関: 1秋田大学医学部第1内科 2秋田大学医学部第1外科 3秋田大学附属病院中央検査部病理

ページ範囲:P.753 - P.757

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 十二指腸癌はまれな疾患で,以前の報告では診断時に既に手術不能例が多く,山形ら1)は1940年から1967年.までに経験した十二指腸癌16例中9例が摘出できたと報告している.しかし最近は診断技術の進歩によって早期十二指腸癌の報告も多くなってきた.今回われわれは,胃集検の間接フィルムで要精密検査とされた無症状の腺腫内癌の形態を示した早期十二指腸癌の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

症例

 患 者:34歳,男性,地方公務員.

 家族歴:母方の祖父が食道癌にて死亡.

 既往歴:11歳のとき急性腎炎.

 現病歴:1978,79年に胃集団検診を受け,1979年には精密検査で,びらん性胃炎と診断されるも,十二指腸の病変は指摘されなかった.1981年の胃集険の間接フィルムで十二指腸下行部の陰影欠損という所見で要精密検査とされ,当科を受診し入院となった.体重減少,腹痛,タール便,発熱,黄疸など自覚症状はなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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