icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻8号

1983年08月発行

文献概要

今月の主題 大腸sm癌 主題症例 A 内視鏡的ポリペクトミー後に経過観察している例

5.有茎性大腸癌の電気焼灼後3年5ヵ月で進行癌となった1例

著者: 牛尾恭輔1 山田達哉1 廣田映五2

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部 2国立がんセンター病理

ページ範囲:P.804 - P.805

文献購入ページに移動
 〔症例〕63歳,女性.既往歴・家族歴に特記すべきことなし.1970年,粘液便の中に少量の血液が混入したため当院受診.直腸鏡にて肛門縁より13cmの部位に,有茎性の隆起性病変を認め生検を施行した.その後,病変より出血が止まらないため電気焼灼を受け,その際,隆起性病変の大部分も脱落した.

 生検材料の組織診は高分化型腺癌で,一部では粘膜下組織に浸潤していた.16日後の直腸鏡検査では瘢痕化し,smearの細胞診で癌細胞は陰性であり,以後,年1回の経過観察が指示された.1年後,2年後の検査(注腸および直腸鏡)で異常は指摘されなかった(Fig. 1a,bの矢印の病変は当時チェックされていない).しかし,3年後に血便が出現し,1973年12月の直腸鏡と注腸検査(Fig. 1c)にて,直腸~S状結腸に腫瘤を認め再発と診断し,翌年1月,低位前方切除術が施行された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?