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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻8号

1983年08月発行

文献概要

今月の主題 大腸sm癌 主題症例 B 内視鏡的ポリペクトミー後に腸切除した例

9.ポリペクトミー切除端に癌の浸潤を認めたため腸切除を行ったsm癌の1例

著者: 五十嵐正広1 中英男1 勝又伴栄2 岡部治弥2 高橋俊毅3

所属機関: 1北里大学医学部病理 2北里大学医学部内科 3北里大学医学部外科

ページ範囲:P.822 - P.823

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 〔症例〕64歳,男性.1977年7月新鮮血便を認め来院.注腸造影(Fig. 1)にてS状結腸に長径1cm前後の山田III型ポリープ様病変を認めた.ポリペクトミーによる完全生検の目的で入院.

 内視鏡所見(Fig. 2)では表面顆粒状でびらんを伴う.ポリペクトミーのためスネアをかけたところ通電前に抵抗なく切断された.翌日の内視鏡検査では,中心に陥凹を残し,ポリープの残存を認めた.ポリペクトミーされた標本(Fig. 3)は,1.1×1.0cmで,図に示すように大部分が高分化型腺癌で,切除端にも浸潤を認めたため,粘膜下層への浸潤を考え,2度目のポリペクトミーを行わず外科的に腸管切除およびリンパ節郭清術を施行した.切除標本(Fig. 4)では,残った腫瘍は1.0×0.7×0.5cmで分葉状,表面は平滑,中心に陥凹を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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