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今月の主題 大腸sm癌 主題症例 B 内視鏡的ポリペクトミー後に腸切除した例
14.sm癌のポリペクトミー後1年4ヵ月で肝転移を認めた1例
著者: 佐々木喬敏1 丸山雅一1 高橋孝2 高木国夫2 加藤洋3
所属機関: 1癌研究会付属病院内科 2癌研究会付属病院外科 3癌研究会付属病院病理
ページ範囲:P.832 - P.833
文献購入ページに移動1979年11月26日ポリペクトミーの1年4カ月後に行った内視鏡検査(Fig. 2c)ではS状結腸のポリペクトミー部位に一致して1/3周を占めるBorrmann 1型の腫瘍を認め局所再発と診断した.生検組織所見はadenocarcinoma papillotubulareであった.注腸X線検査所見(Fig. 1c)ではS状結腸に大きな腫瘤陰影を認めた.同年12月24日S状結腸切除術を行った.肝転移は左・右葉共に2個ずつ認め,いずれも拇指頭大であった.切除標本(0-17761)(Fig. 6)で腫瘍は4.0×3.5cm,Borrmann 1型で,表面は絨毛状,膠様を呈し,一部扁平な部分もみられる.組織標本のルーペ像(Fig. 7)で深部にはmuconodular patternを示す部位があり,癌は漿膜にまで浸潤しssβ,脈管侵襲ssV(+)も著明である.Fig. 8は拡大組織像で粘液産生の強い分化型腺癌である.
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