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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻8号

1983年08月発行

文献概要

今月の主題 大腸sm癌 主題症例 C 隆起型sm癌と診断しポリペクトミーを行わず腸切除した例

2.肝転移を認めた大腸sm癌の1例

著者: 中澤三郎1 松井俊治1 田中正人1

所属機関: 1名古屋大学医学部第2内科

ページ範囲:P.838 - P.839

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 〔症例〕61歳,女性.血便を主訴として来院.注腸X線検査で下行結腸中央部に管腔をほぼ占める,表面顆粒状の有茎性隆起性病変を認めた(Fig. 1).内視鏡検査では表面に顆粒状凹凸のある有茎性の腫瘤を認め(Fig. 2),一部発赤びらんを呈し,生検にてGroup V と診断された.CTスキャン,腹部超音波検査,血管造影検査などで肝左葉にも腫瘍を認めたため,下行結腸部分切除術と共に肝左葉切除術を同時に施行した,術中,腸管壁周囲にリンパ節を触知せず,他臓器にも異常を認めなかった.

 大腸の切除標本では,最大径3.5cmの暗赤色を帯びた有茎性隆起性病変が認められ,その表面は顆粒状の凹凸が著明であった(Fig. 3).Fig. 4は大腸切除標本の弱拡大像である.頭部は異型の強い腺腫で占められ,その一部に粘膜下層まで浸潤した癌を認めた.茎は正常粘膜に覆われ,浸潤像はなかった.癌の部分の強拡大像(Fig. 5a)では,高円柱状の絶細胞が腺管を形成し,増殖像を呈している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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