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症例
限局性腹膜偽粘液腫を形成した虫垂粘液性囊胞腺癌の1例
著者: 藤田直孝1 望月福治1 松本恭一1 伊東正一郎1 池田卓1 今井大1 金子靖征2 林哲明2 沢井高志3 遠藤尚文3
所属機関: 1仙台市医療センター内科 2仙台市医療センター外科 3東北大学医学部第1病理
ページ範囲:P.875 - P.882
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患 者:29歳,男性,
主 訴:回盲部痛.
家族歴:特記すべきことなし.
既往歴:9歳時,腹膜炎として入院したことがある.
現病歴:1981年7月初めより時々回盲部痛があり,同部の圧痛を自覚していた.7月17日,悪寒,熱発などはないが同部にかなりの疼痛があり某医を受診,白血球増多(9,900)および回盲部に手拳大の腫瘤を指摘され抗生物質の投与にて軽快した.7月21日,経口小腸大腸造影検査にて回腸末端部に腫瘤による圧排所見と,不整の縦長の潰瘍を思わせる陰影が認められ,7月23目精査のため当科を紹介され入院となった.この間,便通および便の性状には特に変化を認めなかった.
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