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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻8号

1983年08月発行

文献概要

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海外文献紹介「胃液中の亜硝酸塩とニトロソアミン:胃癌の危険因子か?」

著者: 小林世美1

所属機関: 1愛知県がんセンター第1内科

ページ範囲:P.890 - P.890

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 Nitrite and nitrosamines in gastric juice: Risk factors for gastric cancer?: P Schlag, R Böckler, M Peter (Scand J Gastroenterol 17: 145~150, 1982)

 N-ニトロソ化合物は,少なくとも動物実験で胃癌をつくることが証明されている最も強力な化学的発癌物質の1つである.またヒトの胃癌の病因論においても関連があると言われる.この化合物やその前駆物質は,飲食物によって胃に到達する.疫学的研究は,環境内でのこれらの物質の発生と胃癌の頻度との間に相関のあることを示唆した.N-ニトロソ化合物は,胃の中でもつくられる.胃液は通常ニトロ化しうるアミンを十分に含有するので,N-ニトロソ化合物の形成は,胃内のpH,細菌などの触媒物質と亜硝酸塩の濃度によって影響を受ける.著者らは,患者の空腹時胃液のpHと亜硝酸塩濃度を測定したところ,正常者と表層性胃炎,消化性潰瘍患者では有意の差はなかったが,萎縮性胃炎では,pH,亜硝酸塩濃度共に著明に上昇し,両者が相関するのを認めた.空腹時胃液中のニトロソアミン濃度も同様に,正常,消化性潰瘍,表層性胃炎の間では有意の差はなく,萎縮性胃炎では著明に上昇し,亜硝酸塩とニトロソアミンの間に明らかな相関をみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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