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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻8号

1983年08月発行

文献概要

症例

びまん浸潤型癌と鑑別困難であった大腸Crohn病の1例

著者: 上田博1 磨伊正義1 今堀努1 西野逸男2 中西功夫3

所属機関: 1金沢大学がん研究所付属病院外科 2金沢大学がん研究所付属病院内科 3金沢大学医学部第1病理

ページ範囲:P.891 - P.896

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 大腸の炎症性疾患(以下IBDと略す)の中には原発性の大腸癌,特にびまん浸潤型癌1)と鑑別が極めて困難な症例があり,診断,治療の決定に難渋する場合がある.本例は直腸に約8cmの長さにわたって狭窄があり,術前IBDとびまん浸潤型癌との鑑別に苦慮し,術後に直腸のCrohn病とされた興味ある症例であったので,若干の考察を加えて報告する.

症 例

患 者:37歳,男性,タイヤ販売修理業.

主 訴:便秘.

既往歴:4年前急性腸炎? 発熱,下痢,嘔吐で10日間入院.

家族歴:父親胃癌.

現病歴:1980年4月までは1日1回の便通を認めていたが,次第に便秘となり6月には下剤を服用しないと便通を認めなくなった.1ヵ月前からは粘液,血液が便に付着し,軽い下腹部痛を伴うようになった.発熱はみられず,体重減少は6カ月間に2kgであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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