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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻9号

1983年09月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌診断の問題点(2)―診断の現状 主題

早期胃癌の手術材料(肉眼所見)からみた臨床診断の実態

著者: 岩下明徳1 重松明博2 住吉金次郎2 井上龍誠2 櫻井剛2 山口幸二2 森正樹2 黒岩重和2 飯田三雄3

所属機関: 1松山赤十字病院検査部病理 2九州大学医学部第2病理 3九州大学医学部第2内科

ページ範囲:P.949 - P.959

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 生検材料や手術材料を取り扱う病理医にとって早期胃癌の臨床診断の正確さには目を見張るものがある.これは,偏に胃癌が多いわが国の実情を反映した近年のX線,内視鏡,生検などの診断学の目覚ましい進歩とその普及によるものである.その正確さゆえに,われわれ病理医が生検材料のGroup分類に困難を感じたとき,臨床側にX線・内視鏡的情報を教えてもらうことはしばしば経験することである.

 翻って,手術材料からみた臨床診断の実態を検討することも,近年目覚ましく進歩した早期胃癌診断学の反省ということだけでなく,その時代における限界と将来の診断学の進むべき方向を示すのに,1つの手掛かりを与えるものと考えられる.本稿では,病理肉眼的診断の立場から,早期胃癌臨床診断の現状について述べ,次いで陥凹型ならびに隆起型早期癌と類似した病変の肉眼的鑑別に触れると共に鑑別診断困難例を呈示する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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