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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻9号

1983年09月発行

症例

自然治癒したと考えられる腸結核の1例

著者: 中野貞生1 山崎雅彦1 横田広子1 田上昭観1 下田忠和2

所属機関: 1中野胃腸病院 2東京慈恵会医科大学病理

ページ範囲:P.987 - P.992

文献概要

 最近,わが国においては全結核の減少と共に結核の罹患年齢も高齢化の傾向にある1).腸結核についても同一傾向にあると思われ,その病像も陳旧化したものや非典型的なものがみられ,Crohn病や潰瘍性大腸炎などとの鑑別診断が,臨床的にも病理学的にも困難な例が多くなってきた.われわれは,臨床的には大腸結核と診断しえたが,病理組織学的には結核結節が全くみられず,その他の組織所見および肉眼像より治癒した腸結核と診断した例を経験したので報告する.

 症 例

 患 者:72歳,女性.

 主 訴:腹部膨満感.体重減少.

 家族歴:弟,肺結核.

 既往歴:42歳時,肺結核症で加療.

 現病歴:1978年ごろから体重減少が始まり2年間で13kgの減少をみる.1980年5月ごろより腹満感があり,近医受診し市販薬により軽快したが,1981年2月再び心窩部不快感,食欲不振,腹部膨満感が出現した.再び近医受診し胃X線検査を受け異常なしと言われたが,症状が持続するため当院を受診し,精査・治療の目的で入院となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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