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文献詳細

雑誌文献

胃と腸18巻9号

1983年09月発行

文献概要

ディスカッション

本号掲載:「胃癌の進展に伴う組織像の変化―剖検例,切除胃の検索から―」および18巻6号掲載:「胃癌の組織型別にみた進展様式の検討―胃癌組織型分類の1つの試み―」(五関謹秀)について

著者: 中村恭一1 五関謹秀2 渡辺英伸3

所属機関: 1筑波大学基礎医学系病理 2東京都立駒込病院外科 3新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.1016 - P.1017

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 6号に掲載された論文を理解していないと本号の論文は理解しにくく,そのために両論文にまたがっての質問になるかと思います.五関先生は“腺管構造の不良な胃癌を未分化型癌という名称で表すのは,厳密に言うと不適当であり,組織形態学的に厳密な表現として,腺管構造と粘液形成の2方向への分化を2つの軸として分類・検討……”とありますが,未分化・分化の用語を“統一的な立場から純形態的に腺管の有無をもって”と定義して用いている以上問題はないと思いますが? 胃癌組織発生の観点からは,粘液量を考慮することによって厳密な表現とはならないと思いますが? なぜならば,胃癌細胞には粘液以外に機能の異なる刷子縁があるからです.粘液量の所見を形態に加えることによって,何故に,厳密となるのでしょうか? お教えください.

 各群で,他臓器への直接浸潤を高度,中等度,軽度としていますが,その定義はどのようになっていますか? 更には,各群の間に直接浸潤に関して有意差が認められるとして,各群の意義と有用性を主張していますが,剖検例という癌発生から死ぬまでの時間は種々であるものを対象としているからには,少なくとも原発巣の大きさをそろえたうえでの検討がないかぎり,上記の主張はできないと思いますが?

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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