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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻1号

1984年01月発行

文献概要

今月の主題 Panendoscopyの評価(1) 主題

Panendoscopyの有用性

著者: 岡崎幸紀1 河原清博1 大下芳人1 多田正弘1 原田元1 竹内憲1 吉田智治1 大谷達夫1 長町宗治1 渡辺正俊1 竹本忠良1

所属機関: 1山口大学医学部第1内科

ページ範囲:P.15 - P.24

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要旨 胃内視鏡検査におけるpanendoscopyの有用性について,われわれの経験とアンケートをもとに検討した.いわゆる細径,中径のpanendoscopeの出現により,胃を含めた上部消化管のスクリーニング検査をはじめ,広くpanendoscopeが使用されるようになった.従来の内視鏡に比較し,操作性,観察能に優れ,また,被検者の苦痛が軽減されたからである.これらのプラス評価は,われわれの胃集検,臨床のデータ,日本消化器内視鏡学会評議員のアンケート回答からも得られている.現時点でのpanendoscopyの問題点は,胃体部後壁の観察の不利,記録性の不良であろう.また,被検者の苦痛も,検者が考えるほど軽減されてはいない.胃の内視鏡検査は,X線に比較し,立体感,色調の情報に優れ,被曝の問題もなく,今後,X線に代わり胃スクリーニング検査は,panendoscopyとなるであろう.しかし,胃内視鏡検査の将来を考えるとき,panendoscopyの問題点の解決は,現在の器械の改善で解決されるであろうか.極端に言えば,現在のグラスファイバーを中心とする機構では限界に達しているのではなかろうか.更に優れた操作性,観察能,記録性を求めて,また,被検者の苦痛を減らすためには,根本的にその構造を考え直す必要があるのではないかと思っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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