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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻10号

1984年10月発行

今月の主題 胃生検の問題点

主題

新しい胃生検法“strip”biopsyの開発

著者: 多田正弘1 嶋田正勝1 柳井秀雄1 有馬巧三良1 刈田幹夫1 岡崎幸紀1 竹本忠良1 木下善二2 木下久美子2 飯田洋三2 渡辺英伸3

所属機関: 1山口大学医学部第1内科 2小倉記念病院内科 3新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.1107 - P.1116

文献概要

要旨 従来の鉗子生検では,採取材料の大きさや深さが不十分である.これを補うため,われわれは“strip”biopsyを開発した.この“strip”biopsyとは,粘膜下に注射用生理食塩水を2~4ml注入し,山田Ⅱ~Ⅲ型の隆起を形成し,スネアを装着したのち,高周波電流にて切除する方法であり,病変部の陥凹,隆起に関係なく直径2~3cmの粘膜を広範に生検することが可能である.この方法は慢性胃炎の診断のみならず,異型上皮巣や,小胃癌の完全な切除が可能であり,生検組織学的診断のみならず,内視鏡的治療法としても有効であった.なお本生検によるとう痛,出血などの副作用はほとんどなく,生検によって生じた潰瘍は2~3週間で治癒し,安全でかつ確実な生検法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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