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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻10号

1984年10月発行

文献概要

今月の主題 胃生検の問題点 研究

胃上皮性腫瘍の良性悪性診断の客観化―異型上皮巣と分化型癌の構造異型度の数値化

著者: 菊池正教1 中村恭一1 赤羽久昌1 渋谷進1

所属機関: 1筑波大学基礎医学系病理

ページ範囲:P.1117 - P.1125

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要旨 病理組織学的な腫瘍の良性・悪性の診断は,細胞異型と構造異型との総合された経験的・主観的パターン認識によってなされている.このようなパターン認識の客観化は少なく,細胞異型についてはDNA量の測定によってなされているが,構造異型の客観化はほとんどない.本研究の目的は,経験的・主観的パターン認識によって診断された胃生検および手術材料の各種腸型上皮系隆起性病変(異型上皮巣,分化型癌)を対象として,その構造異型について形態計測を行い,計測から得られた数値が,より客観的な診断指標となりうるか否かを検討することである.その指標として,一定面積当たりの腺管面積と間質面積との比をとり,これを乱れ係数(lndex of Structural Atypism;ISA)とした.その結果,上皮の異型度が強くなるにつれてISAも段階的に大きくなった.したがって,このISAは胃において構造異型の客観的診断指標として有用であるとみなされた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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