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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻11号

1984年11月発行

文献概要

今月の主題 膵癌の治療成績 序説

膵癌の治療成績は向上しているか

著者: 古賀成昌1

所属機関: 1鳥取大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1175 - P.1176

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 CT,USなどの画像診断を中心とした最近の各種診断法の進歩によって,2cm以下の小膵癌の診断例もみられるようになった.しかし,残念ながら,膵癌全体の治療成績は他の消化器癌のそれと比較して,今なおはるかに不良であり,膵癌の治療成績向上にはほど遠いものがあるというのが現状であろう.膵癌の中でも乳頭膨大部癌や膵内胆管癌では,比較的良好な成績が得られてはいるが,膵頭部癌,膵体・尾部癌の治療成績は,実に惨惚たるものと言わざるを得ない.

 膵癌の治療成績向上を阻んでいる要因として,まず第1に早期診断,早期治療の難しさである.外科治療に回ってくる膵癌の多くは極めて進行したもので,切除不能となる例が多い.1982年の膵癌全国集計の成績をみても,切除率は26%と,他の消化器癌に比べると著しく低率である.治療成績向上を阻む2第の要因として,発育・浸潤様式,脈管内侵襲などにみられる膵癌の示す生物学的特徴が挙げられよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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