文献詳細
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書評「肝・胆・膵―確定診断への画像的接近と診断手技の治療的応用」 フリーアクセス
著者: 戸部隆吉1 内藤厚司1
所属機関: 1京都大学第1外科
ページ範囲:P.1176 - P.1176
文献概要
第2部では著者らが現在最も力を入れているinterventional radiologyについて最先端の業績が詳細に記載されており,本書の持つ斬新さが見事に結実している.すなわち閉塞性黄疸例におけるPTCドレナージの内痩化とこれを応用した放射線腔内照射や胆管拡張術の方法や成績にとどまらず,現在最も注目されている肝癌の肝動脈塞栓術について,これまでの著者らの成績が明快に述べられている.肝動脈塞栓術についての詳細な手技や方法,適応,成績が述べられており,われわれ外科医にとっても非常な関心領域でもある.著者らの成績では生存率は1年が43.5~60.5%,2年が30.3~39.3%ときわめて良好な成績を残しており,手技や方法に学ぶべき点が多い.更に著者らは,この肝動脈塞栓術を肝切除例の術前に応用して,肝切除後の遠隔成績を向上すべく努力がはらわれており,今後の発展を願ってやまない.
掲載誌情報