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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻11号

1984年11月発行

文献概要

今月の主題 膵癌の治療成績 主題

予後の良い膵癌

著者: 高木国夫1 大橋一郎1 太田博俊1 竹腰隆男2 大橋計彦2 丸山雅一2 村上義史2 加藤洋3 柳沢昭夫3

所属機関: 1癌研究会附属病院外科 2癌研究会附属病院内科 3癌研究会附属病院病理

ページ範囲:P.1193 - P.1205

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要旨 膵癌の術後5年以上生存例の予後良好な条件をみると,癌の大きさが2cm以上でありながら,膵被膜浸潤がなく,膨張性発育を示すものが多かった.われわれの発見した早期膵癌9例では,1例を除き,術後3~5年生存し,予後良好と推定しうる.粘液産生癌の膵内進展様式を胃癌の壁浸潤形態と比較して,粘液産生癌の主膵管内の発生,膵管内進展および膨張性発育が良好な予後を裏付けている.早期充実癌では,膵管内のcarcinoma in situが臨床的に認められず,発生の早期から周囲に浸潤するものであろう.主膵管近傍に発生した充実性癌で膵頭部では1.5cm内外,膵体部で1cm内外の大きさで発見されれば,予後良好と推定される.主膵管内および主膵管近傍に発生した膵癌による二次的膵炎をチェックし,ERCPで膵の異常をとらえることが,予後良好な膵癌を発見することになり,膵癌の早期診断に通ずるものである.予後良好な特殊型膵癌には囊胞腺癌と腺房細胞癌が認められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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