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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻11号

1984年11月発行

文献概要

今月の主題 膵癌の治療成績 主題

膵癌の腫瘍マーカーの現状

著者: 川茂幸1 本間達二1

所属機関: 1信州大学医学部第2内科

ページ範囲:P.1223 - P.1229

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要旨 膵癌の各種腫瘍マーカーによる診断能を検討した結果,CA19-9,POA,CEAが有用であり,CA19-9とPOAを組み合わせると更に向上した.早期の膵癌の診断にはelastase-1が有効でCA19-9,TPA,ferritinが比較的有効であった.治療後のモニタリングにはCA19-9,POA,TPA,CEAが病期の進行を反映しており,手術の根治性,化学療法への反応性,再発の予測という観点からはCA19-9が最も優れていた.感受性,特異性の面で問題点は残されているが,これら有効な幾つかのマーカーを組み合わせてスクリーニング検査を施行すれば,膵癌の切除率,根治性の向上が期待されると思われる.モノクローナル抗体の技術を応用して新しい腫瘍マーカーが幾つか開発され臨床的に検討されているが今後の成果が期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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