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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻11号

1984年11月発行

研究

石灰化を伴う胃癌の病理組織学的検討

著者: 松木啓1 中上和彦1 弘野正司1 新本稔1 服部孝雄1

所属機関: 1広島大学原爆放射能医学研究所外科

ページ範囲:P.1261 - P.1267

文献概要

要旨 胃癌切除例107例を検討した結果,9例(8.4%)10病巣の胃癌組織中に石灰化を認めた.いずれも進行癌で,大部分はstageⅣ(胃癌取扱い規約)であったが,臨床的に電解質の異常などはみられなかった.石灰化の型を今井の分類に従って分けると,mucin Pool calcification 6病巣,psarnmomatous calcification 4病巣で,前者は比較的分化度の高い腫瘍組織中に,後者は分化度のより低い腫瘍組織中に出現する傾向がみられた.また9例中2例では転移巣にも石灰化がみられ,原発巣における前記傾向と同様,転移巣の腫瘍像の変化と共に石灰化の型も変わった.以上の所見から,石灰化の型には周辺の腫瘍組織の分化度が深く関与している可能性が老えられた.石灰化を伴う胃癌10病巣中2病巣で,腫瘍細胞の胞体がcalcitonin陽性を示すという興味深い所見を得た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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