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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻12号

1984年12月発行

文献概要

研究

大腸の小さな扁平隆起性病変(small “flat elevation”)の臨床病理学的検討

著者: 武藤徹一郎1 上谷潤二郎1 沢田俊夫1 小西文雄1 杉原健一1 久保田芳郎1 安達実樹1 阿川千一郎1 斉藤幸夫1 T.Tanprayoon1 森岡恭彦1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1359 - P.1364

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要旨 外科的切除標本ならびに内視鏡的ポリープ摘除標本の中から,直径1cmまでの小さな扁平隆起性病変(“flat elevation”)36病変を選出して,その内視鏡的および組織学的特徴を明らかにした,病変の内訳は軽度異型腺腫14病変,中等度異型腺腫5病変,高度異型腺腫(focal carcinoma)14病変,粘膜下浸潤癌3病変であり,大きな病変ほど異型が強い傾向が認められた.小さいにもかかわらず腺腫内癌が多いことから,これらの病変が比較的短期間に進行癌へ進展する可能性が推察され,“flat elevation”が大腸のadenoma-carcinoma sequenceに重要な役割を果たしていると考えられた.日常診療において,“flat elevation”の存在を認識することの重要性を強調した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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