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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻12号

1984年12月発行

文献概要

症例

6年間経過観察中のCronkhite-Canada症候群の1例

著者: 村谷貢1 小川晃男1 笹本潔1 相沢勇2 中野眼一2 中村卓次2

所属機関: 1済生会前橋病院外科 2群馬大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1367 - P.1372

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要旨 症例は54歳女性.生来健康であったが,1977年(49歳時),右下腹部痛を主訴として入院,回盲部の大腸ポリープによる腸重積症で結腸右半切除を施行した.また,胃・小腸にも多数のポリープを認めた.切除結腸に存在した大腸ポリープの1個に腺腫を認めたが,ほかはすべて異型のない腺管が過形成性の増生を示し大小の囊胞を形成していた.更に手足の爪甲の変形と異常色素沈着,低蛋白血症などの臨床所見よりCronkhite-Canada症候群と診断した.1979年には爪甲の変形は消失し,胃ポリープの数も著明に減少した.1980年には,低蛋白血症と貧血の増悪を認め輸血を施行したが,この時期には再び爪甲の変形が出現し,胃ポリープの数も増加した.1982年には胃ポリープの著明な増加を認め,これが蛋白漏出の一因と考え胃亜全摘を施行した.切除胃には,びまん性に無数のポリープが発生していたが,組織学的にはすべて過形成性のものであった.術後経過良好で,現在外来にてfollow-up中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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