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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻12号

1984年12月発行

症例

十二指腸乳頭部癌が先に診断されたGardner症候群の1例

著者: 吉見富洋1 小泉澄彦1 石丸正寛1 州之内広紀1 藤枝邦昭1 佐藤宗勝1 武藤徹一郎2 和田祥之2 森岡恭彦2

所属機関: 1茨城県立中央病院外科 2東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1373 - P.1378

文献概要

要旨 患者は46歳男子.1981年12月発熱と食欲不振を主訴に当科を受診した.灰白色便,可視的黄疸,全身掻痒感も認められたため1982年1月閉塞性黄疸の診断にて当科に入院した.入院後,上部消化管内視鏡検査にて,十二指腸乳頭部に一致して径約2cmの表面平滑な粘膜下腫瘤様の病変が認められ,生検組織診断により腺癌が認められたため,膵頭十二指腸切除術を施行した.標本にて癌は十二指腸乳頭部に一致し2.0×2.0×1.0cmの隆起性腫瘤であった.組織学的には乳頭腺癌.術後経過は順調にて外来通院中,約4カ月後に血便を主訴として来院.注腸造影,大腸内視鏡検査の結果,大腸全体にびまん性にポリープが認められた.家族歴も考慮し家族性大腸腺腫症の診断にて結腸全摘術を施行した.組織学的にはいずれも腺腫であり比較的大きいものは中等度異型性を示した.術後経過は順調であり,その後外来通院中に全身骨撮影にて右大腿および副鼻腔に骨腫が認められ,また幼児期に皮下腫瘤切除の既往も認められたため,Gardner症候群と診断された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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