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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻2号

1984年02月発行

文献概要

今月の主題 Panendoscopyの評価(2) 主題

X線とpanendoscopyの比較―上部消化管癌のスクリーニングにおける位置づけ

著者: 西沢護1 野本一夫1 細井董三1 岡田利邦1 山田耕三1 牧野哲也1 志賀俊明1 江藤和美1 古沢英紀1 徳重順治1 原本富雄1

所属機関: 1東京都がん検診センター

ページ範囲:P.185 - P.193

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要旨 細径panendoscope導入前と導入後に分けて,X線診断と内視鏡診断の拾い上げ診断能,偶発症,内視鏡拒否率を比較し,以下のような理由から,臨床の場においては理論的には細径panendoscopeは上部消化管癌のスクリーニングとしてX線に代わりうるという結論を得た.(1)細径panendoscope導入前の側視鏡では食道,胃ともに拾い上げ診断能,偶発症,内視鏡拒否率のいずれの点でもX線が勝り,スクリーニングはX線でなければならなかった.(2)細径panendoscope導入後は,食道,胃ともに拾い上げ診断能はpanendoscopyがX線に勝り,偶発症は問題にするほどではなくなった.しかし,内視鏡拒否率は調査によってかなりのバラツキがあり,救命しうる癌を少しでも多く発見するという立場からは,X線検査を完全になくすことはできない.(3)丁寧なpanendoscopyが行われれば,胃癌なしとされたものについてはX線よりも受診間隔を延ばすことができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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