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文献詳細

雑誌文献

胃と腸19巻3号

1984年03月発行

今月の主題 Crohn病の経過

序説

Crohn病患者の診療に当たって思うこと

著者: 八尾恒良1

所属機関: 1福岡大学医学部第1内科

ページ範囲:P.249 - P.250

文献概要

 10年前,18歳の美人のCrohn病患者を診たときには経験のない悲しさから,腸結核を否定できず2週間抗結核剤を投与して様子をみた.その後SASPにて一旦寛解をもたらすことができたが,SASPのための胃症状が強く,1年後には大きな胃潰瘍を併発し,Crohn病も増悪して再入院した.このころ欧米の文献を読みあさり,再発率が60%という数字を頼りに,再発しないことを祈りながら手術に踏み切った.ごく最近,過激な職業に従事しているその患者さんに電話を入れたところ,快く来院していただき小腸二重造影法を含む諸検査を行ったが再発はみられなかった.

 次に手術した患者さんは既手術例であったが,広範囲にわたる狭窄のため残存小腸が1m20cmと,広範囲切除のやむなきに至った.この患者さんは現在,低蛋白血症以外の自覚症状は少ないものの,著明かつ広汎な病変と狭窄を起こしており,再々手術の必然性を考えると憂鬱である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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